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『100まんびきのねこ』 ワンダ・ガアグ、(訳)いしい ももこ

昨年、「絵本の黄金時代」展で展示されていた絵本です。
なんともレトロで味わい深い、こんな絵本が好き。
ねこがほしいおばあさんのために、ねこを探しにでたおじいさんが、ねこでいっぱいの丘にでる・・・もうそれだけで可笑しくて、心をぐっとつかまれてしまいました。
そこにも ねこ、あそこにも ねこ、
どこにも、かしこにも、ねこと こねこ、
ひゃっぴきの ねこ、
せんびきの ねこ、
ひゃくまんびき、一おく、一ちょうひきの ねこ。
ねこが一ぴきあればいいのに、えらびきれないおじいさんはかわいいねこをどんどんひろう、またまたひろう、あっちのもこっちのもひろう。
ぞろぞろとねこの行列をしたがえて帰るおじいさん。
「まさか?」とか「うそでしょうー?」とか思っている私にはおかまいなしに、おはなしはずんずん平気な顔してすすんでいきます。おはなしのゆくえがまったく思いがけなくて、ひょうひょうと人を食ったようなその感じがたまらなく愉快。

「きっと、みんなで たべっこして しまったんですよ」

どこか民話ふうのおはなし、こめられているのは欲深さへの戒めかしら・・・。
でもラストはとても幸せそうです。おじいさんとおばあさんがくつろいでいる部屋にはふたりの結婚式の写真、足もとには一ぴきのねこ。えらばれた‘たったひとつ’が、時間と愛情をかけてかけがえのない存在になっていくことの素敵さ。
モノクロームの木版画が濃やかで美しく、ねこだらけのページがほんと楽しい絵本。
見返しも、ねこねこねこ!

(原題『MILLIONS OF CATS』)
Author: ことり
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