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『本に読まれて』 須賀 敦子

評価:
須賀 敦子
中央公論社
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(1998-09)

これから歩いて行く方向に、あるひかりが見えるような書物に出会うよろこび――おぼれるように愉しんだ古典から現代文学まで、観想と記憶が織りなす深く豊かな世界を綴った読書日記。


この書評集にもしも香りがあるとしたら、削りたての木材のような、爽やかできりりとした香り。
みずみずしくて艶やかな言葉と感性で、さまざまな本や作家、そして翻訳者たちが表現されていきます。ここに収録された本よりも、須賀さんの文章を読んでいるほうがずっと楽しいのではないかしら・・・そんなことを思うほど、「書評を読む」という以前に彼女の扱う言葉の美しさにほれぼれしてしまうのです。目にした文字がすぐさま音となり響くような、それでいて、このしんとした静けさはどうでしょう。
須賀さんが読まれてきたたくさんの、幅広い文学。ここで紹介されている本たちのほとんどを読んだことがなかった私は(既読は『山の音』、『猫と庄造と二人のおんな』、『富士日記』のみ)、ざんねんながらこの書評集を深く読みこめたわけではないけれど、そんな私でも純粋に読み物として愉しかった、そう思いました。
1870年代の織物(ウィリアム・モリス作)が使われたエレガントな装丁も素敵です。
須賀さんのほのかな熱意や佇まい、ていねいに織られていく言葉の気配が掌を通して伝わってくるみたいです。


■ この本に出てきた読んでみたい本たち <読了メモは後日追記>
『シカゴ育ち』 スチュアート・ダイベック
『誰がパロミノ・モレーロを殺したか』 マリオ・バルガス=リョサ
『インド夜想曲』→読了、『逆さまゲーム』 アントニオ・タブッキ
『コラージュ』→読了 アナイス・ニン
『シェリ』 コレット
『フランケンシュタイン』 メアリー・シェリー
『旅ではなぜかよく眠り』 大竹 昭子
『五重奏』 アンヌ・フィリップ

Author: ことり
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