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『私のミトンさん』 東 直子

評価:
東 直子
毎日新聞社
¥ 1,680
(2011-07-12)

身長50センチのミトンさんは、アカネの秘密の同居人。
わがままで謎の深いミトンさんと、そこに集うどこまでも優しく独創的な人々を描いたほの甘い長編小説。

ふしぎなふしぎなふしぎな・・・かわいいお話。こういうの、好き。
いっぷう変わった叔父さんから借り受けることになった一軒家の床下で、茜が出逢った小さなおばあさんのミトンさん。
ミトンさんは、皺だらけの肌とケトルのような高音の声をもち、一人称は「オレ」、つめたい果物が好きで、赤いスカートを履いているふしぎなふしぎな存在です。
茜とミトンさんのほっこり切ないひそやかな生活がはじまります。

ぽわぽわとした霞みたいなやさしさで、少しずつ動いていく日々。
「記憶」とか「幸福」とか「時間」とか・・・親しいけれどもうまく説明のつかない曖昧なものものがお話のなかにうずまいています。謎だらけのミトンさんがするんとなじんでしまえるのは、だからなのかしら・・・。
茜、庄司くん、みほさん、お母さん。みんないびつでやさしく愛おしい人びと。
私は複雑な事情をかかえたみほさんがなんだかとても好きでした。繊細さと神通力をそなえたおっとりと可憐なみほさん。ミトンさんを抱っこするときの「すてきに重い」っていう言い回しも、イチゴみたいに甘くてかわいい。

「この穴、どこかにつながってるの?」
「みんなつながっている」

揺れる暗闇、透明な意識、鼓動の歌。ふしぎなふしぎなミトンさん。
また、いつかの未来にみんな揃ってあの空の下、あの日のように出逢えますように。
Author: ことり
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