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『愛蔵版 冷静と情熱のあいだ』〔再読〕 江國 香織、辻 仁成

『冷静と情熱のあいだ』・・・大好きで大好きで、たまらない物語です。
はじめて読んだのは1999年。すごく話題になっていた頃、Rosso(江國さん)を読んでからBlu(辻さん)を読みました。
あおい側の物語が大好きで――甘ったるいお酒みたいな、ものうい空気感がほんとうに好き――、それ以来Rossoばかり再読している私・・・数年前に購入した愛蔵版(贅沢な函にはいった、ひどく美しい本)でひさしぶりにBluもあわせて読んでみました。

片側だけを読んでいると、もう片方がいまどんなことを想い、どんなふうに生活しているのか分からない。だからあおいの物語を読むとき私はついついあおいになりきってせつない思いで読んでしまうのですが、こちらの愛蔵版ではRossoの第一章、Bluの第一章、Rossoの第二章、Bluの第二章・・・と一章ずつかわりばんこに進んでいくので、どちらの気持ちも知りながら読める楽しみがあります。
順正も苦しいほどあおいをもとめていることが分かって、祈るような気持ちで(結末は知っているくせに)読んでしまいました。

怠惰な生活を送りながら、所有は最悪の束縛だ、というあおい。
修復師として過去と向き合い、過去にとじ込められてしまう順正。
まるで合わせ鏡のような、あおいと順正それぞれの物語はなんど読んでも私の心を揺るがし、ざわめかせ、狂おしいほどにひびいてきます。

2008年に再訪したフィレンツェで、「どうしても、ここにのぼりたいの」 そう我儘を言って、夫といっしょに初めてドゥオモにのぼりました。・・・あの景色、一生忘れない。
夫とふたりでのぼりたかった場所――
だってフィレンツェのドゥオモは、「愛しあう者たちのドゥオモ」だから。
Author: ことり
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