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『天頂より少し下って』 川上 弘美

評価:
川上 弘美
小学館
¥ 1,470
(2011-05-23)

『一実ちゃんのこと』、『ユモレスク』、『金と銀』、『エイコちゃんのしっぽ』、『壁を登る』、『夜のドライブ』、『天頂より少し下って』――奇妙でやさしい7つの短篇を収めた恋愛小説集。
心地よくて、せつなくって、ぼんやりと淡い不思議な空気につつまれます。
幻想、とまでは行かないのですが、現実がちょっぴりだけ歪んだような物語がすとんと素直な感じで降りてきて、読みながらとろとろとまどろんでいるみたいでした。

クローンの生まれだという一実ちゃん(『一実ちゃんのこと』)とか、「短いしっぽ」に触らせてくれるエイコちゃん(『エイコちゃんのしっぽ』)とか、ときどき「妙なもの」をつれてくる綾子さん(『壁を登る』)とか・・・やさしくて魅力的な人たちがこの本でもたくさん出てきます。
川上弘美さんの小説に登場する人物は、いつも迷っていて、どこかたどたどしくて、でもおっとりと可愛らしい素敵な人たちが多いのですよね。たとえ気持ちが張りつめている時でも、心にあったはずの厭なかたまりがすうーっと消えていく、そんな素朴なあたたかさにみちた彼女の本が私はとても好きです。
Author: ことり
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