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『猫とあほんだら』 町田 康

評価:
町田 康
講談社
¥ 1,728
(2011-05-13)

猫にかまけて』、『猫のあしあと』につづく、町田さんの猫エッセイ第3弾。
今回は町田夫妻と猫10頭が、東京からなんと伊豆半島へお引越し!その騒動を中心に書かれています。
引越しを思い立ったのはいいけれど、物件を探しに行けばすて猫にであい、越したら越したで猫の部屋が寒すぎて要改造・・・彼のちっともうまくは運ばない嘆きの日常がまた新たに始まるのです・・・。

執筆やバンド活動もされている町田さんですが、その生活は猫に翻弄される日々。怒りのシャータンを喰らわされたり、高価な衣服を毛布がわりにされたり・・・パンクな彼が「あひゃーん」ってなってしまう様子は相変わらず可笑しくて、ついつい笑みがこぼれます。
素敵な奥様との息の合ったやりとり(時につめたくあしらわれちゃうのがなんともいえない!)や、なにかにつけて邪魔をする虚栄心との内なる闘いも読みどころ。町田さんの操るアノ関西弁でイキオイが倍加されるから、たたみかけるようなおもしろさでした。
飼っている猫のほかに、ボランティア団体から預かっている‘事情のある’猫たちがいる町田家。彼のエッセイを読んでいると、ペットをすてたり虐待したりする身勝手な人間の影がちらついて、いつも心が痛みます。心身ともに傷ついた猫たちに夫妻はたっぷりの愛をそそいでいます。
いちど人間を憎んでしまった猫はもうなかなか心を開こうとはしないみたいだけれど、でもこのコたちはきっと分かってるよ、ちゃんと伝わってるよ、そう思わずにはいられませんでした。

この本のラストは、ビーチという猫が新たに加わるところで終わっています。
猫ばかりじゃなくスタンダード・プードルのスピンクたちもやってきている(『スピンク日記』)わけだし、町田家からまだまだ目が離せません〜。
Author: ことり
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