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『第二の銃声』 アントニイ・バークリー、(訳)西崎 憲

評価:
アントニイ・バークリー
東京創元社
¥ 1,015
(2011-02-12)

高名な探偵小説家の邸宅で行われた推理劇。だが被害者役の人物は二発の銃声ののちに本物の死体となって発見された。
二転三転する証言から最後に見出された驚愕の真相とは。

緑に囲まれたのどかな農園、優雅な午後のパーティのひとときを切り裂く惨劇。
殺人の嫌疑をかけられたピンカートン氏の書きとめた草稿(小説)、という体で進んでいく物語は、たくさんの登場人物にもかかわらず整理がしやすくて、ぽんぽんと弾むように読めました。
ピンカートンをはじめ、ちょっと厄介な性格のアーモレル嬢や人間味あふれる探偵・シェリンガムなど、みなそれぞれ個性的でひと癖もふた癖もある上に魅力的。そんな人びとが感情豊かに生き生きと動き出し、お話をぐらぐらかき回してくれるのです。

誰もが動機をもつ中で、いったい真犯人は誰なのか。
銃声はなぜ2発あったのか。そのことがどんな状況を招いていくのか。
そうして、事件に果敢にとびこんでいくシェリンガムはどんな謎解きをするのか。

「これは殺人を探偵する小説ではなく、殺人についての小説である。」と冒頭で述べているバークリーさんは、人びとのもつれた人間関係や交差する思惑、殺人に向かって変わっていく心もようをじつにこまやかに(時にはユーモラスに)描いてみせてくれています。それでいて、二転三転する結論・・・エピローグは驚きの展開が!
少しばかり理屈っぽいけど、気品ただよう上質な古典ミステリー。楽しめました。

(原題『THE SECOND SHOT』)
Author: ことり
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