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『赤糸で縫いとじられた物語』 寺山 修司

「ジュリエット・ポエット」――寺山修司自らが名づけた、散文詩とも童話ともつかない不思議な作品の数々。
人間が次々と鳥に変身してしまう『壜の中の鳥』、魔法の消しゴムで恋敵を次々と消していく『消しゴム』、十年後の姿を映し出す写真機を描いた『まぼろしのルミナ』・・・抒情と幻想がシュールに溶け合った、鮮やかな十二篇を収録した、ジュリエット・ポエットの代表的作品集。

ふしぎな色気がにじむ、お砂糖のようにきらきらはかない詩とメルヘン。
かん違いの水夫ジョニー、言うことをきかない手足、すれちがいのアリスとテレス、ふしあわせなリボンの少女、ふたつの影をもつアリス・・・哀しみをおびたおとぎの国の住人たちが、甘くせつなく心を濡らし消えてゆきます。
どのお話も、なんて残酷・・・なんて美しい。
どこかに忘れてきてしまった‘自分の一部’をさがして歩くような、そんな心許なさにつつまれました。
それはもしかしたら、あの頃の無邪気だった恋。無邪気だった私。

 女のからだは お城です
 なかに一人の少女がかくれている
 もういいかい?
 もういいかい?
 逃げてかくれた自分を さがそうにも
 かくれんぼするには
 お城はひろすぎる
Author: ことり
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