<< 『停電の夜に』 ジュンパ・ラヒリ、(訳)小川 高義*prev
『えかきさんとことり』 マックス・ベルジュイス、(訳)はせがわ しろう >>*next
 

『東京日記3―ナマズの幸運。』 川上 弘美

卵一個ぶんのお祝い。』、『ほかに踊りを知らない。』につづく「東京日記」第3弾。
相変わらずひょうひょうととぼけた魅力。ぽやぽやとした霞のなかをお散歩しているような、川上さんのとりとめのない日常が柔らかな文章で綴られています。

ある時は、桜が開きはじめてから満開までの時間が短すぎて心の準備ができず、
しばらくてのひらをぎゅっと結んだまま立ちすくんでいたけれど、どうにもしょうがない。鳩の鳴きまね(デデ、デデと、喉の奥をならす。気持ちのやりどころに困る時におこなう)を何回かしてから、とぼとぼと帰る。
またある時は、気力を「みなぎ」らせるためのパンツが気になり、統計をとり、
おばさん型八、エッチ型二の割合で、どうやらおばさん型着用時の仕事はかどり率の方が、かなり高い。
ただ、エッチ型のときに一回だけ、「今日の仕事はこの一年の中でも、もしかすると一番の出来かも」という日があった。
またまたある時は、暑い日にいくつかの種類を見出す。
今年は来ないかもしれないと思っていた、
「もぐらじめりの日」である。
もぐらくさくて、閉口する。
もぐらの匂いは、青汁にちょっと似ている。ほしぶどうにも、ちょっと。

ゆうるりと可愛くて、ささやかなことも特別にしてしまう不思議な日記。
でも、なんとなく前の2冊のほうが面白かったような・・・。気のせいかしら。
以前は五分の四くらいの割合だったのが、今回は十分の九くらいが‘ほんとう’になっているそうで、もしかしたらそのことが関係していたりするのかしら??
Author: ことり
国内か行(川上 弘美) | permalink | - | -
 
 

スポンサーサイト

Author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -