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『ジャムつきパンとフランシス』 ラッセル・ホーバン、(絵)リリアン・ホーバン、(訳)まつおか きょうこ

フランシスの絵本を読むと、いつも小さいころの自分とそっくりかさなって、面映ゆいようなくすぐったいような、そんななつかしい気持ちになります。
はな歌をうたう、好きなものはとことん好き、意地っぱり。私もそうだったな・・・、ん?いまでも本質的にはあまり変わっていないかもしれないけれど。

トーストにのせたおとしたまご、こうしのカツレツやスパゲッティミートボール・・・お母さんのつくってくれたおいしそうな料理――いつも「これはすごいごちそうだねえ!」と感動するお父さんが素敵――に見向きもしないで、フランシスはジャムつきパンばかり食べています。
おやつに ジャム ごはんに ジャム
あたしは びんの きもちが わかる
くちまで・・・ジャムで・・・いっぱいだ!
はじめてのものは食べないで、「ジャムつきパンならどんなものかよくわかっていて安心だし、それにいつ食べてもおいしい」というのがフランシスのかわいらしい理屈。大好きなジャムの歌をいっぱいつくってうたうフランシス。
そんなフランシスにお父さんとお母さんはやさしくおっとりとしながらも、フランシスをあまやかさずにほんのちょっぴりいじわるをします。でもそれはフランシスのことをちゃんと考えたやさしいおしおき。読んでいるこちらまでたっぷりの愛につつまれて、心がふかふかになりました。

つぎの日。きれいな紙レースのしきものをひろげ、スミレの花をおいてお弁当の準備をするフランシスがほほえましいです。素直になるのって、勇気がいるよね。
子どもの可愛らしさが存分にあふれている絵本。ジャムパンでもジャムトーストでもなくて、「ジャムつきパン」という言葉のひびきも好き。

(原題『BREAD AND JAM FOR FRANCES』)
Author: ことり
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