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『なくしたものたちの国』 角田 光代

評価:
角田 光代
ホーム社
¥ 1,680
(2010-09-24)

生きることのよろこびとせつなさ。
松尾たいこのイラストから紡ぎだされた、角田光代の書き下ろし小説。

角田さんと松尾さん、ふたたびのコラボレーション。
Presents』に比べると、もっとふわふわした、なつかしい綿菓子みたいなファンタスティックなストーリーたち。きゅうんとせつなくて、でもあたたかいふしぎなできごとを描いた、それは物語集でした。
かつて私が大切にしていたものたち――パンダやダックスフントのぬいぐるみ、かたかた鳴る手押し車、あめ玉みたいな指輪、ビーズでつくった動物たち、集めていた香りつきのけしごむ・・・たしかに手元にあったのにいつのまにかなくしてしまったものたちがいまもきちんとならべられている場所がある・・・うれしくて、切なくて、気づいたら涙がぽろぽろこぼれていました。これまでの自分がまるごと肯定されたような、大きくてあたたかいものですっぽりとくるまれるような気持ちになり、私も子供みたいに泣いてしまったのかもしれません。
絵と文章がやさしくなかよく溶けあって、淋しい気持ちだとか心細さが、しずかな光で少しずつ照らされていくみたい。

この本を読んでいて、思ったことがあります。
人生とかものごとは‘めぐる’ということ。なくしたものや忘れ去られたものもいつか、きっとまた出会えるんだね、って。
だから、本をとじる時私をつつみ込んでいたのは、じんわりとつよい気持ち・・・。

「ゆきちゃんの言ったとおり、なつかしい」
「でしょうー?そうなのよう、なつかしいのよう」
ゆきちゃんがもうほんとうにキュートなのようー。
Author: ことり
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