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『三十すぎのぼたん雪』 田辺 聖子

もう無邪気ではいられないけれど、大人にもなりきれていない。そんな中途半端な年頃には、恋との距離も微妙になる。はじまりかけた恋への期待に、苦い記憶がそっと忍び込んでくる。心が触れ合ったと感じた瞬間に、哀しい予感が静かに満ちてくる。たのしさやときめきの裏側にある、ものさびしさとやるせなさをしみじみ描く。恋愛小説の達人ならではの、心に優しく沁みる佳品9篇。

おおらかでみずみずしくて、ちょっぴりやるせない、田辺聖子さんの恋愛短篇集。
きゃしゃなティーカップ、ふわふわのドレスを着たフランス人形、りぼんのついた靴、レースの扇子、ばらのランプシェード・・・ピンク色の乙女チックなカバーがかけられたこんな本は、手にするだけでぱあっと気持ちが華やぎます。
年齢に関係なく、皆どこかしら可愛らしい女たち。にぎやかなおしゃべり。
書かれたのはずいぶん前(昭和53年!)でも、女性を悩ませる恋や友情や家族とのびみょうな距離は、いまも昔もちっとも変わらないのですね。
すてきなことばっかりじゃないけれど、それでもやっぱり人生はすてきだ、そんなふうに感じさせてくれる田辺さんの小説は、ちょっと元気がない時にいいみたい。
この本のなかで、私は『母と恋人』が一ばん好き。
Author: ことり
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