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『すばらしいとき』 ロバート・マックロスキー、(訳)わたなべ しげお

お父さんのつつみ込むような語りで描かれていく、ひと夏のヴァカンスのようす。
子どもたちをつれてやって来たペノブスコット湾にうかぶ小島。そこでのすばらしい時間と風景が、ゆったりとひろがっています。
 
おまえたちは あかりをけし、
舟つきばに むかって こぐ。
星が みおろし、
水にうつった星の影が みあげている。
しずかな夜、
百くみもの目が
おまえたちを みつめている。
ひとくみの目が、その上から
すべてを みつめている。

日ごと、時間ごとにちがう表情をみせる空や海。 どんどん近づいてくる雨雲や、しだがそだっている音、ヨットのまわりでとびはねて遊ぶいるかたち。そして――、なにがあっても愛され見守られているという安心感。
どきどきするほど大きな自然の、その甘さも厳しさもたっぷりと享受して、やがてヴァカンスは終わりを迎えます。一家が海辺の家をひきはらい、子どもたちが、潮のみちひきに合わせていた時計をスクールバスのゆききに合わせるときがきたのです。
思い出の品を荷物につめる幼い姉妹。そのちいさな胸をよぎるのは・・・?
でも これからいく場所のことを
かんがえると、すこし、うれしいだろ。
やさしくひびくお父さんのささやきが、すみずみまで心をうるおしてくれます。
感傷と、期待と。なんともいえないせつない気持ちを抱えながら、本をとじるのです。

(原題『TIME OF WONDER』)
Author: ことり
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