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『冥途』 内田 百痢◆奮─剖皸翕 英津子

評価:
内田 百けん,金井田 英津子
パロル舎
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(2002-03)

「高い、大きな、暗い土手が、何処から何処へ行くのか解らない、静かに、冷たく、夜の中を走っている。」と始まる内田百間の「冥途」を、新感覚の絵と色彩で表現。
画家の視点が再構築する幻想と不思議の異世界。他全6編。

ひとたび扉をひらいたとたん、夢幻の路に迷い込む。
ほの昏い廊下を抜けて・・・幽暗妖美な世界観に心がざわめく。
物陰にひそむ、得体の知れない者たちの視線と息づかいに圧倒されました。

独特の韻、そこはかとないユーモア。つぎつぎにつむぎ出される不条理でシュールな物語をひときわ美しく彩っている幾枚もの版画。音を消し去り不穏な気配をまとった絵たちは、目を離したすきにかさこそと動き出しそうなほどです。
これは、そう、子どもの頃に漠然と感じていた心細さをそのまま封じこめたような本。
もの哀しく立ちのぼってくる人びとの思いや記憶。夢と異世界。

百寮萓犬遼椶鯑匹爐里蓮◆愽患官狎萓幻盛塹拭戞ノラや』につづいてまだ3冊め。
先日読んだアンソロジーに入っていた『件(くだん)』にほれ込み、買い求めた本です。こちらもまた、大切で煌びやかな私の宝物・・・。
Author: ことり
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