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『Invitation』 江國 香織、小川 洋子、川上 弘美、桐野 夏生、小池 真理子、蘯 のぶ子、眤 薫、林 真理子

評価:
江國 香織,川上 弘美,桐野 夏生,小池 真理子,小川 洋子
文藝春秋
¥ 1,470
(2010-01-10)

八人のミューズがささやく八つの物語。
とてつもなく甘美で、けっこう怖い・・・絶品短篇小説館。

恋愛小説から時代小説、サスペンス・タッチのものから官能小説まで・・・それぞれ、かなり趣きのことなる短篇小説が収録されたアンソロジーです。
江國香織さん、小川洋子さん、川上弘美さんのお話めあてに読んだ一冊なのですが、江國さんの『蛾』、これがトップバッターにして最高にすばらしかった・・・。

『蛾』
夫がでてゆき、ひとり目覚める朝。どこから入ってきたのか一匹の蛾がとんでいた。
その後、玄関に行商の女があらわれ、房子は今日が「その日」だと気づく。
なにげない日常のつらなりに、ぽっかりと存在する「その日」。
幼い頃にもやってきたことがある・・・現実が奇妙にゆがんで、喧噪が遠ざかって、自分だけが世界からはみだしていることを意識する「その日」・・・。

たとえるならば、一人でするお散歩のとちゅう、知らない道を行くときの、現実感が消えうせぐるぐると心もとないあの感じ。白昼夢を見ているような、不穏で妖しい感覚にいっきにとらわれてしまったお話でした。
そのほか印象的だったのは、小川さんのひかえめな存在感が美しい通訳の物語(ラストの、絶滅した鳥たちのメリーゴーランドが印象的)と、唯一の初読み作家さんだった蘯のぶ子さんの老人介護の物語(怖ろしすぎる結末!)。
そしてやはり、林真理子さんは好きになれないなぁ、なんて思ってしまった私でした。

『蛾』 江國 香織
『巨人の招待』 小川 洋子
『「天にまします吾らが父ヨ、世界人類ガ、幸福デ、ありますヨウニ」』 川上 弘美
『告白』 桐野 夏生
『捨てる』 小池 真理子
『夕陽と珊瑚』 蘯 のぶ子
『カワイイ、アナタ』 眤 薫
『リハーサル』 林 真理子
Author: ことり
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