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『空の飛びかた』 ゼバスティアン・メッシェンモーザー、(訳)関口 裕昭

評価:
ゼバスティアン メッシェンモーザー
光村教育図書
¥ 1,575
(2009-05)

ある日、散歩の途中、わたしは1羽のペンギンにひょっこり出くわした。
空から落っこちたんだよ、とやつは言った。
でも、ペンギンが――やつはどうみてもペンギンだった――
飛べないことぐらい、わたしだって知っていた。

ガブリエル・バンサンを思わせるすぐれた画力で、空を飛ぶことを夢みるペンギンとそれを手助けする「わたし」の奮闘ぶりを描いたおとなの絵本。
写実的で、それでいてユーモアたっぷりのデッサン画にくぎづけです。

ずんぐりと重たそうな洋梨体型。このペンギンがみじかい翼をどんなにばたつかせたって、とても飛べるようには思えない。けれどペンギンはがんばる。不屈の精神で。きっと飛べる、そう信じて――・・・
なんど墜落してもめげないで、思いつくかぎりの方法(どれも最高にナンセンス!)をためしてみる・・・強固な信頼関係で結ばれたふたりの挑戦、大まじめなところがもうかわいくて愛しくて心をキュっとつかまれてしまいました。
絵から伝わってくる真剣さと、すっとぼけたありさま。そのギャップの妙。
あきらめないこと、やればできるんだと信じることって、すてきだな・・・。
くすりと読み手をなごませながらおはなしは進み、こんなに‘熱い’のに最後はにぎりしめていた手綱をぱっと解き放つように潔く幕をとじます。無言の背中に、ちょっぴり淋しい余韻。

(原題『FLIEGEN LERNEN』)
Author: ことり
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