『せんろはつづくよ』 M.W.ブラウン、(絵)J.シャロー、(訳)与田 凖一

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
岩波書店
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(1979-02-15)

汽車がトンネルをくぐり鉄橋を渡り、雨にぬれ雪をかぶり、月に照らされ太陽にかがやく長い長い旅、そして砂嵐の平原へ、そこを走りぬけ、けわしい山をジグザグに越えてようやく目的地の明るい西海岸に到着する。アメリカの西部開拓時代のイメージにあふれた絵本。

ぱふぱふ ぱふぱふ
ちゃぐちゃぐ ちゃぐちゃぐ
うたうようなリズムにのって、西へむかって走る2台の機関車。
地平線のずうっと先までのびている線路。トンネルをくぐり、鉄橋をわたって、2台はやがてあかるい海にたどり着きます。
やさしくて、しみじみと勇敢な絵本だと、そう思いました。私も機関車たちといっしょに山や海や草原を旅した気分になりました。
シンプルで、楽しくて、そしてとてもロマンティック。

(原題『TWO LITTLE TRAINS』)
Author: ことり
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『ききゅうにのったこねこ』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)レナード・ワイスガード、(訳)こみや ゆう

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
長崎出版
¥ 1,470
(2011-01)

マーガレット・ワイズ・ブラウンさんの絵本がまた新しく日本で紹介されました。
ねずみが大嫌いなこねこが、ねずみのいないところへ行きたくて気球にのって旅にでるおはなし。すごくかわいいです。
海からは風のおと、街からは機関車のおと、
サーカスに出会ったり、工場地帯にとんでいったり・・・
こねこをのせた気球はいろんなところへふわふわとすすんでいきます。
まるで詩のような美しいことばたちと、そんな物語世界をうっとりとつつみ込んでいる上質なイラスト。ワイズ・ブラウンさんとワイスガードさんコンビの絵本はなん冊も読んできましたが、やっぱり好きだな〜。ラストもやさしくてすてきです。

(原題『THE NOON BALLOON』)
Author: ことり
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『ちいさなもみのき』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)バーバラ・クーニー、(訳)かみじょう ゆみこ

森のはずれの一本の小さなもみの木と、ひとりの男の子との出会いと心のふれあいを静かに美しくえがく、やさしさあふれるクリスマス絵本。

みどりと赤とブルーグレイ。3色だけのシンプルな彩色で描かれるきれいな絵。
みんなからちょっと離れて立っているちいさなもみの木と、足がわるくて寝たきりの男の子。孤独なふたつの心がふれあって、どこまでも澄みわたりそうな美しい物語を織りなしています。
クリスマスの夜、辺りは冴えざえと静まりかえり、遠くから歌声がひびきます。
つもった雪、星のひかり、おごそかな気配。やさしさがふわりとみちる、幸福な絵本。

(原題『THE LITTLE FIR TREE』)
Author: ことり
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『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)レナード・ワイスガード、(訳)うちだ ややこ

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
フレーベル館
¥ 1,260
(2001-09)

たとえば向こう側がすけて見える透明なグラス、
たとえば野原でささやきあうようによりそって咲くまっ白いひな菊、
たとえばあまくあおい匂いでつつみこんでくれる緑の草・・・
そんなものものについて「なにが一ばん大切なのか」が述べてある絵本です。

なんのてらいもない素朴な風景。なにも引かず、なにも足さない、ただありのまま。
でも、ありのままであること、それが一ばん大切なんだね。
単純な言葉で、物事の本質をずばりと言い表していくこの絵本の潔いこと。ひと言ひと言がゆっくりしみて、心がなんども立ち止まりました。
チカチカまぶしい映像や猥雑な音の波、ありあまるほどの食べもの。まいにちがめくるめくスピードで過ぎてゆくけれど、だからこそ林檎がたっぷりまるいことや、空がいつもそこにあることの大切さを忘れないでいたい、そう思いました。

あなたに とって
たいせつなのは
あなたが あなたで あること

(原題『The Important Book』)
Author: ことり
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『クリスマス・イブ』 マーガレット・W・ブラウン、(絵)ベニ・モントレソール、(訳)やがわ すみこ

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
ほるぷ出版
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(2003-11)

まよなかのことでした。
それも クリスマスの そのばんでした。

クリスマス・イブの夜。あたりはしんと静まりかえり、窓の外は雪がふっています。
けれども2階のベッドのなかでは、遠い空を駆けめぐるとなかいたちに耳をすませ、寝たふりをしながら心躍らせる子供たちがいたのです。
「みんなで したへいって クリスマス・ツリーにさわって おねがいごとをしよう」
しずかにしずかに、息をひそめて・・・まよなか、子供たちの冒険が始まりました。

寝静まった父さんと母さんを起こさないよう、そうっとそうっと足音をしのばせ階段をおりる子供たち。下の廊下はまだ温かで、クリスマスのあたたかなにおいがします。
そして、暖炉の残り火にきらきらときらめくみごとなクリスマス・ツリー!
ほんとうに、ワイズ・ブラウンさんはふつうならば見逃してしまいそうなちいさな物音や気配までもあまさずに伝えてくれる魔術師ですね。このおごそかな静寂をとじ込めた世界観を、モントレソールさんの黒とオレンジと黄色だけで描かれた美しい絵が、いっそう惹きたててくれています。

胸をどきどき高鳴らせる子供たち、しずかに流れゆく聖なる時間、大人たちに伝わるクリスマスのしきたり。ひらいた頁のどの場面もほんとうに素敵。
どこからともなく、「きよし このよる」の歌声が聴こえてくるようです。

(原題『ON CHRISTMAS EVE』)
Author: ことり
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『よるとひる』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)レナード・ワイスガード、(訳)ほしかわ なつよ

評価:
マーガレット・ワイズ・ブラウン
童話館出版
¥ 1,365
(2009-01)

昼がこよなく好きな白い猫と、夜がこよなく好きな黒い猫のおはなし。
白い猫は、日だまりにまるくなっているのが好きでした。昼のぬくもりと昼のざわめきが好きでした。
黒い猫は、夜のしじまを歩くのが好きでした。やわらかな闇のなかにうかび上がるもののかたちが好きでした。
ある夜、黒い猫は、夜をいっしょに過ごそうと白い猫を起こします。白い猫は、あなたこそ昼をいっしょに楽しんでみてはどうかしらとこたえました――

白い紙のうえに、黒と明るい黄色だけで描かれたやさしい世界。
そこに猫たちの耳にとどくさまざまな音がひびきます。昼には、昼の音――ハチの羽音、車輪のまわる音、ご婦人がたが編み針を動かす音・・・。そして夜には、夜の音――のねずみの鳴き声、アマガエルの歌、草のかげで奏でる虫たちの音楽・・・。ワイズ・ブラウンさんの絵本を読むと、いつもありふれた物音がとてもすてきに感じられるから好き。世界じゅうの音たちに耳をそばだてたくなるの・・・。
さてさて。すれ違い生活を送っていた白い猫と黒い猫は、やがておなじときに眠り、おなじときに起きていっしょに歩きまわるようになります。昼のざわめきと夜のしじま、彼らはどちらをえらんだと思いますか?

(原題『NIGHT AND DAY』)
Author: ことり
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『ちいさなとりよ』 M.W.ブラウン、(絵)R.シャーリップ、(訳)与田 凖一

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
岩波書店
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(1978-11-21)

その とりは こどもたちが みつけたとき しんでいました。

「弔う」ということが、ありのまま、飾らずに描かれた物語。
まったく、なんて正直な絵本でしょうか。
うそがない、ということは、ある種とても残酷であるということ。でもだからこそ心にとどくのもまた事実なのですね。やさしくかわいい寒色系の絵たちとともに、自然の摂理がさらりと書きつけられている本です。

(原題『THE DEAD BIRD』)
Author: ことり
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『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)レナード・ワイスガード、(訳)木坂 涼

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
フレーベル館
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(2006-02)

深い緑の草の森、魚たちと海の秘密、耳をすまして聞いてごらん――
目をとじて、小さな小さなささめきに耳をすませたくなる詩。こまやかなタッチの可愛らしい絵。ひとつひとつをじっくりと味わったら気持ちまでしんと澄みわたりそうです。

おかの うえの ちいさな ろばくん
そらを みあげて へんてこな かお
いつまで じっと たってるの?
さあ めを とじて ちいさな ろばくん

かわいい こえの ことりさん
よるが そらを つつみだす
はねの したに あたまを しまって
さあ めを とじて ことりさん (『めをとじて』より)

みずみずしい草の匂いやプルンとふくらんだ朝露。
ひんやりと、どこかなつかしい森の朝の空気。

(原題『NIBBLE NIBBLE』)
Author: ことり
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『どこへいってた?』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)バーバラ・クーニー、(訳)うちだ りさこ

評価:
マーガレット・ワイズ ブラウン
童話館出版
¥ 1,050
(1996-05)

黒と赤、単色2色刷りのシンプルでとても美しい絵本です。
柔らかな質感の毛並みや、くりくりっとしたつぶらな瞳・・・動物たちの姿がほんとうに繊細でかわいくて、「どこへいってた?」とやさしく語りかける物語にぴったり。

りすはアイススケートで踊り、魚は水のなかを泳ぎ、小鳥は空高く飛び、馬はクローバーの原っぱでうっとりする・・・なにげないけれど幸せいっぱいの日々のひとときが、かろやかな言葉の世界を通して、生き生きと描かれています。
お話の終わり方がなんだかとても絵本らしくて、ほほえましいです。

(原題『Where have you been?』)
Author: ことり
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『きんのたまごのほん』 マーガレット・ワイズ・ブラウン、(絵)レナード・ワイスガード、(訳)わたなべ しげお

評価:
マーガレット ワイズ・ブラウン
童話館出版
¥ 1,575
(2004-07)

むかし、あるところに、いっぴきのちいさいおすのうさぎがいました

ひとりぽっちのうさぎは、ある日、ひとつの卵をみつけます。
卵のなかからは、なにか動いている音がして・・・いったい、何かしら?何かしら何かしら・・・と、待っているうちに眠たくなったうさぎは、すやすや眠ってしまいます。
おや、そうしている間に、卵が割れてなかから出てきたのは――・・・

ワイスガードさんの絵が、目をみはるほど美しい絵本です。
ふわふわした手触りがじっさいに伝わってきそうで、思わずほっこり気分。
みつけた卵を不思議そうにちょんちょんしたり、転がしてみたり、けとばしてみたり・・・うさぎさんのちょっと乱暴なしぐさすら、あまりにも可愛らしく描かれていてキュンとなってしまいました。
表紙がすごく綺麗なので、イースターの季節にお部屋にかざるのもきっと素敵。

(原題『The Golden Egg Book』)
Author: ことり
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