『フランシスのおともだち』 ラッセル・ホーバン、(絵)リリアン・ホーバン、(訳)まつおか きょうこ

評価:
ラッセル・ホーバン
好学社
¥ 1,020
(1972-01)

フランシスは友達の男の子・アルバートと遊びたい。
でもアルバートはひとりがよくて、妹のグローリアはお姉ちゃんと遊びたい・・・
みんなそれぞれに気持ちがあって、すれ違うところからはじまるおはなし。
女の子だから、という理由で遊んでくれないアルバートにぷんとむくれたフランシスはいじわるな歌をうたい、「おとこのこ おことわり」のプラカードをもって妹と楽しげな運動会を企画しますが――・・・?

またまた、フランシスにとっぷりたっぷり感情移入。
お姉さん風をふかせたり、いじわるされた仕返しをしたり・・・ああ、私もそんな気持ち思い当たるなあって、胸のすみっこがちくんとします。
自分もされてみて、はじめて相手の気持ちが分かる。そうしてつぎはやさしくなれる。そんな体験のなかで、みんななかよしが一ばん楽しいことを知っていく。
読み終わるころには胸の痛みもそっと柔らかなやさしいものにくるまれて、なんだかいますぐ妹に会いたくなりました。

全5巻のフランシスの絵本シリーズ。
私は『フランシスのいえで』と『ジャムつきパンとフランシス』がとくに好き。

(原題『BEST FRIENDS FOR FRANCES』)
Author: ことり
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『フランシスとたんじょうび』 ラッセル・ホーバン、(絵)リリアン・ホーバン、(訳)まつおか きょうこ

評価:
ラッセル・ホーバン
好学社
¥ 1,020
(1972-01)

明日は、妹の誕生日、お祝いの準備に忙しいママとグローリアを見ると、フランシスは拗ねてしてしまいます。けどやっぱり、可愛い妹にプレゼントを考えます。

あーん、かわいい!フランシス。
妹のお誕生日。自分は主役になれなくて、妹のグローリアにちょこっとやきもちをやいてしまう、そんな子どもらしい心のゆれがていねいに描かれています。
おこづかいを2回ぶんもらって、せっかくグローリアのために買ったチョムポ(チョコレートバー)とふうせんガムなのに、
ひとりでに 手がうごいて ふうせんガムをふたつ 口のなかへ ほうりこんでしまいました。
「いつのまに、入っちゃったんだろう」なんてとぼけるフランシスがすごくかわいい。
パーティでお祝いの歌をみんなでうたう時、ついちがう歌をうたっちゃって、でもあとできちんと「おめでとうおたんじょうび」の歌をうたう、ほんとはやさしいお姉ちゃん。
ほっこりやさしい気持ちになれる絵本です。

(原題『A BIRTHDAY FOR FRANCES』)
Author: ことり
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『ジャムつきパンとフランシス』 ラッセル・ホーバン、(絵)リリアン・ホーバン、(訳)まつおか きょうこ

フランシスの絵本を読むと、いつも小さいころの自分とそっくりかさなって、面映ゆいようなくすぐったいような、そんななつかしい気持ちになります。
はな歌をうたう、好きなものはとことん好き、意地っぱり。私もそうだったな・・・、ん?いまでも本質的にはあまり変わっていないかもしれないけれど。

トーストにのせたおとしたまご、こうしのカツレツやスパゲッティミートボール・・・お母さんのつくってくれたおいしそうな料理――いつも「これはすごいごちそうだねえ!」と感動するお父さんが素敵――に見向きもしないで、フランシスはジャムつきパンばかり食べています。
おやつに ジャム ごはんに ジャム
あたしは びんの きもちが わかる
くちまで・・・ジャムで・・・いっぱいだ!
はじめてのものは食べないで、「ジャムつきパンならどんなものかよくわかっていて安心だし、それにいつ食べてもおいしい」というのがフランシスのかわいらしい理屈。大好きなジャムの歌をいっぱいつくってうたうフランシス。
そんなフランシスにお父さんとお母さんはやさしくおっとりとしながらも、フランシスをあまやかさずにほんのちょっぴりいじわるをします。でもそれはフランシスのことをちゃんと考えたやさしいおしおき。読んでいるこちらまでたっぷりの愛につつまれて、心がふかふかになりました。

つぎの日。きれいな紙レースのしきものをひろげ、スミレの花をおいてお弁当の準備をするフランシスがほほえましいです。素直になるのって、勇気がいるよね。
子どもの可愛らしさが存分にあふれている絵本。ジャムパンでもジャムトーストでもなくて、「ジャムつきパン」という言葉のひびきも好き。

(原題『BREAD AND JAM FOR FRANCES』)
Author: ことり
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『フランシスのいえで』 ラッセル・ホーバン、(絵)リリアン・ホーバン、(訳)まつおか きょうこ

評価:
ラッセル・ホーバン
好学社
¥ 1,020
(1972-01)

おやすみなさい フランシス』のフランシスに、妹のグローリアが生まれました。
お父さんとお母さんの愛情が自分だけにそそがれるものではなくなり、こんなふうに‘流しのしたの歌’をうたったり、
ポトリン ポトリン ポトリンコン
ながしのしたには ふきんがあるよ
バケツも たわしも わたしも いるよ
ポトリン ポトリン ポトリンコン
空き缶に小石を入れて元気よくジャカジャカジャンジャン鳴らしたり・・・、いろいろと気を惹こうとするフランシスがとても可愛くいじらしく描かれていきます。

お母さんは赤ちゃんのお世話でいそがしく、このごろいろんなことが思うようにいかなくなったと感じるフランシスはつぶやきます。「あたし、いえでしようかしら?」
でも、家出の意味をちゃんと理解できていないフランシスの行動がかわいいのです。
行き先は、なんと食堂のテーブルのした。フランシスはちゃんとさようならを言って、にもつをせおってテーブルにもぐりこみます。
そしてそんなおちゃめな「家出」につきあってくれるお父さんとお母さん・・・フランシスがいないふりをしながら、フランシスのいいところやすてきな思い出を、きこえるようにいっぱい言ってくれるの。ちゃんと大切に思ってるんだよってじわじわ伝わってきて、なんだか私までうれしくなって、涙がこぼれてしまいました。
私も、妹が生まれたとき、お母さんをとられたように思えて淋しかったから・・・。

おねえさんは、うちに いないと いけないの、
とおくへ いっては いけないの、
だって、うちのひとが、とても さびしくなって、
うちにいて ほしいなって、おもうから。

お父さんとお母さんと私と妹。
我が家にもたしかにあった、なつかしい日々が胸にほっこりとよみがえりました。

(原題『A BABY SISTER FOR FRANCES』)
Author: ことり
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『おやすみなさい フランシス』 ラッセル・ホーバン、(絵)ガース・ウイリアムズ、(訳)まつおか きょうこ

アナグマの子どもフランシスは、いろいろ理由をつけていつまでもねむろうとしません。
どこの子にも思いあたる話を、ほほえましくとらえて柔らかい鉛筆で描いたかわいらしい絵本です。

ふふふ、くすくす・・・。かわいらしさに思わずにっこりしてしまう絵本。
私も子どもの頃、眠りにつくまでの時間がとても怖かったのを思い出しました。部屋のすみにぼんやりうかび上がるなにかのかたち。天井のかべがみの奇妙な模様。そんな、昼間ではきっとなんでもないものたちが夜の闇のなかではやけに怖ろしげにみえて、なんどお父さんやお母さんのところに行ったことでしょう。
甘えんぼうでこわがり屋のフランシスにシンパシィ。
ひとつひとつゆっくりていねいに受け答えしてくれるお父さんとお母さんも素敵です。
だけど、ちゃんと一人で眠ったフランシスは偉いな。私はそんな夜はいつもお父さんとお母さんのあいだで眠ったから。

(原題『BEDTIME FOR FRANCES』)
Author: ことり
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