『赤ちゃんのはなし』 マリー・ホール・エッツ、(訳)坪井 郁美

ドラマチックな赤ちゃん誕生の絵本。
愛情をこめた美しい絵と、簡潔な文章で、胎内での赤ちゃんの成長を、そのはじまりのはじまりから、日を追い月を追って正確に伝えます。

生命の誕生はいつだってとても神秘的で、とても愛おしい。
さいしょは目に見えないくらい小さな生命。
それがすこうしずつ、すこうしずつ、大きく、複雑になっていく。
あの人も、その人も、あなたも私も、みんなみんなお母さんのおなかでこんなふうに発生し、大切にはぐくまれ、この世に生まれ落ちたんだなぁ・・・。

今日は私の誕生日。
おなかに赤ちゃんがいる‘とくべつな誕生日’にこの絵本をひらけたこと、とても幸運に思います。

(原題『THE STORY OF A BABY』)
Author: ことり
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『おやすみ、かけす』 マリー・ホール・エッツ、(訳)まさき るりこ

評価:
マリー・ホール エッツ
大日本図書
¥ 1,260
(2008-11)

マリー・ホール・エッツさんの絵本がまたひとつ、日本で紹介されました。
『もりのなか』、『わたしとあそんで』、『海のおばけオーリー』など幼い頃からエッツさんの絵本が大好きな私だから、彼女の名作をまた新しく読むことができたこと、そのことがうれしい。構図が『もりのなか』に似ているせいか、なつかしさと新鮮さとが入り交じったような喜びにひたりながらこれを書いています。

ちいさな男の子が、かけすやかえるやのらねこの声に耳をかたむけます。
風にゆれる葉のそよぎにそっと耳をすまします。
そうしてまわりの生き物たちと楽しく心を通わせていく男の子は、動物たちにじゅんばんに「おやすみ」の声をかけていきます。
よけいな描写はいっさいなく、自然となかよしな男の子のやさしさが伝わる絵本。
エッツさんのかかれた絵本は3冊我が家の本棚にありますが、いつも彼女の絵本を読むときは、誰に聞かせることがなくてもちいさく声にだして読む私です。声にだして読んでいくと、静かな時間がまわり始めて、心がふんわり喜んでくれます。
リズムのよい言葉とやさしく繊細な絵は、この『おやすみ、かけす』でも健在です。

(原題『JAY BIRD』)
Author: ことり
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『モーモーまきばのおきゃくさま』 マリー=ホール=エッツ、(訳)やまのうち きよこ

お人よしの牛と、ちょっぴりいじわるなかけす、それから牛におよばれした動物たちのおはなしです。
おいしい草をみんなに食べさせたくて、おきゃくさまをまきばに招待する牛ですが、草をたべない動物たちは怒って帰ってしまいます。
牛は淋しくなりますが、ひつじややぎはよろこんでくれました。

自分がおいしいと思っても、みんながおいしいわけじゃない。
この絵本を読みながら、大好きな金子みすゞさんの詩にあった「みんなちがって、みんないい」という一文を思い出していた私です。

(原題『Cow's Party』)
Author: ことり
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『わたしとあそんで』〔再読〕 マリー・ホール・エッツ、(訳)よだ じゅんいち

頭のてっぺんにまっしろなりぼんを結んだおとなしそうな女の子。
シンプルな表紙のこの絵本は、私がまだちいさなちいさな少女だった頃に出逢ったたいせつな宝物です。
頁をめくるとうららかな朝の野原。
おひさまの香りがただよってきそうなまろやかな色彩、素朴な線。

あそびましょ、って声をかけたのに野原の動物や鳥たちは行ってしまったの・・・
だあれも遊んでくれないの・・・

世界のかたすみに静かに息づくささやかな幸せ。
女の子のまなざしは、ふわふわと舞うちちくさの種や池のみずすましが水面に引くかぼそい線に、やさしくそそがれています。
――いま、ここで息をしているということ。
ばったやうさぎとおなじように、私もひそやかに息をしているということ。
マリー・ホール・エッツさんの絵本は、いつもそれを思い出させてくれます。

(原題『PLAY WITH ME』)
Author: ことり
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