『しらゆき べにばら―グリム童話』 バーバラ・クーニー、(訳)鈴木 晶

ばらの季節なので、なんだか懐かしくなって手にとってみました。
小さい頃にうちにあったお気に入りの童話です。でも、クーニーさんの絵で読むのはこれがはじめて。まっ白なページのうえにローズピンクの絵の具がのって、見た目にも白と赤で描かれているのがとてもおしゃれな絵本。

なかよし姉妹のしらゆきとべにばら。おかあさんを大事にして、よく働き、ちいさな家をいつも清潔にたもちます。そんなふたりの家に雪の夜クマさんがたずねてきたり、おつかいのとちゅうではたびたび長いおひげのいじわるな小人に出逢ったりするおはなしです。
少女たちのみずみずしく白い肌、ばら色のほほ。かわいらしい洋服――たっぷりしたブラウスやあたたかそうなショール、水玉模様のエプロンスカート。
クーニーさんの絵で読むと、またちがったいきいきした魅力が感じられてうれしい。
もじゃもじゃのクマさんのおおきな背中も、恩知らずな小人のしかめっつらも、繊細な筆さばきで表情豊かに描かれています。
だいすきなクマさんを姉妹がぎゅっと抱きしめている表紙の絵もいいな〜。

(原題『SNOW-WHITE AND ROSE-RED』)
Author: ことり
海外カ行(クーニー) | permalink | - | -
 
 

『おちびのネル』 バーバラ・クーニー、(訳)掛川 恭子

エレノア・ルーズベルトという女性を知っていますか?大統領夫人としてのみならず、ひとりの社会活動家として、人権や福祉の向上のために大きな役割をはたし、「アメリカの良心」とたたえられた人です。
だいすきなおとうさまに「おちびのネル」とよばれていた小さな女の子――エレノアはお金持ちではありましたがしあわせな子どもではありませんでした。おかあさまに愛されていないという思い、はやすぎる肉親との別れ、つめたくきびしい家・・・。でも、“おちびのネル”はじぶんを信じ、くらい家から世界へと心をひろげていったのです。

ルピナスさん』や『おおきな なみ』など、バーバラ・クーニーさんの絵本には、たびたび自分のえらんだ道を胸をはって生きていく逞しい女性が描かれますが、この『おちびのネル』もそう。
やがてアメリカのファースト・レディとなったエレノアは、小児麻痺の後遺症で体が不自由だった夫・ルーズベルトの文字通り手となり足となって働き、めぐまれない人びとのために数々の貢献をしたそうです。そんなエレノアの‘基盤’ともいえる少女時代のお話は、物質的にはめぐまれていても、あたたかい家庭にも美しさにもみはなされさびしい女の子だった彼女が精神的に自立していくまでを描いています。
エレノアはどうやって自分を信じ、たしかな支えをみつけていったのでしょう?
うっとりするほど美しい色鮮やかな絵たちにみとれながら、力強く生きたあるひとりの女性の軌跡がたどれます。

(原題『ELEANOR』)
Author: ことり
海外カ行(クーニー) | permalink | - | -
 
 

『ちいさな曲芸師 バーナビー』 バーバラ・クーニー、(訳)末盛 千枝子

評価:
バーバラ クーニー
すえもりブックス
---
(2006-06)

何百年もの間人々に語りつがれてきた「聖母マリアの曲芸師」の伝説を、新たな視点から解釈し、そこに宝石のような美しい絵を添える。ヨーロッパ中世の人びとのいきいきとした様子を描く。

「聖母マリアの曲芸師」のお話は、フランスでは古くから語りつがれ、よく知られているのだそうです。この絵本は、その伝説をバーバラ・クーニーさんが(お話の基本的なことはそのままに)書きなおし、美しい絵をそえたもの。
ご自身の息子さんを「バーナビー」と名づけるほどの思いいれで描かれた絵は、美しく気品にあふれ、そして厳かです。まるで中世の修道院からぬけ出てきたステンドグラスを思わせる佇まいで、ゴシック建築の大理石の模様や、「受胎告知」の頁でひらかれた写本など細部にいたるまで丁寧に描きこまれています。
神さまを信じ自分にできることをするバーナビー。その純粋さがもたらす奇跡。
神聖さのなかにもクーニーさんならではのやさしいぬくもりが感じられて、ほんとうに素敵です。

(原題『The Little Juggler』)
Author: ことり
海外カ行(クーニー) | permalink | - | -
 
 

『おおきな なみ』 バーバラ・クーニー、(訳)かけがわ やすこ

評価:
バーバラ クーニー
ほるぷ出版
¥ 1,575
(1991-08)

小さなハティーは浜辺をさんぽするのが大すきでした。よせてはかえす波の音をききながら、ハティーは心に強くきめていることがありました。
この絵本は、バーバラ・クーニーのお母さんの小さかったころをもとに、時代や風俗のかおりも高く、描きこまれた作品です。

(原題『Hattie and the Wild Waves』)
Author: ことり
海外カ行(クーニー) | permalink | - | -
 
 

『ルピナスさん』 バーバラ・クーニー、(訳)かけがわ やすこ

評価:
バーバラ クーニー
ほるぷ出版
¥ 1,365
(1987-10)
ルピナスさんは、海をみおろすおかのうえにある、小さないえにすんでいます。いえのまわりには、あおや、むらさきや、ピンクの花が、さきみだれています。ルピナスさんは小さなおばあさんですが、むかしからおばあさんだったわけではありません。世界中を旅行しましたし、「世の中を美しくする」ためにステキなことを思いつきました。

みじかいお話のなかに、一人の女性の人生が描かれています。
ルピナスの花が好きなため「ルピナスさん」とよばれるようになったミス・アリス・ランフィアスの一生をめぐる物語。
潔いともいえる文章ですぱっと切りとられていくルピナスさんの毅然とした生き方・・・孤独なルピナスさんですが、それがちっとも淋しげでないのはきっと、彼女が人生を心底楽しんでいるのが伝わるせい。ほんとうに、なんて逞しいんだろう!
色彩の移り変わりが美しい、絵にも心をうばわれます。ディテイルまでこまかくかきこまれたその絵たちを、ついじっくりとすみずみまでながめてしまう。
世の中をもっと美しくするために、私たちにできることがなにかあるはず――・・・絵本のなかから、ルピナスさんのしずかな語りかけがきこえてくるようです。

(原題『Miss Rumphius』)
Author: ことり
海外カ行(クーニー) | permalink | - | -